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ジム・キャリーがユアン・マクレガーと実在のゲイのカップル役を演じたことで話題の『フィリップ、われを愛してる！』。演じたスティーヴンは、刑務所内でユアン演じるフィリップと運命の恋に落ち、詐欺や脱獄を繰り返していくっちゅう破天荒な役柄じゃ。ジムはこの役を熱望したっちゅうが、その理由たぁ？

ゲイ役について抵抗はなかったんか？　「別になかったよ。わしが意識したなぁ、すごく魅力的なひとらの物語を演じるっちゅうこと。信じらりゃぁせんが、実際に起こった愛の実話じゃけぇ。でも人は非情で、そのことに気付かんし、忘れてしまうんじゃ」。

この役を演じるに当たって周りの反対もちぃとゃぁあったようじゃが、ジムはそれを押し切って演じたゆう。「確かにわしの周りで気にしてる者はいたよ。でもわしゃぁ、映画で見たことのないような役をやらんで、大きな反発を避け、自分の境界をちぃとも突き破らんで、一体何のために生きとるんじゃろうって思うたんじゃ」。

本作は、あんなぁにとって特別な映画となったようじゃ。「コメディー大作やらぁ、脚本の中身がえかったら、売り込みをかけて形にしていくことが多い。でも、ごくまれじゃが、何も手を入れる必要がないと感じるいい脚本があるんじゃ。『トゥルーマン・ショー』、『エターナル・サンシャイン』(04)、この映画の3作についちゃぁそう感じたよ。スタッフに電話して、『製作にお金を払ってでもいいから、この作品にどうしても出たい』ゆぅて伝えたんじゃ」。

思い入れの強さは、役作りの真摯さを見ても伝わってくる。劇中で、スティーヴンは自分がエイズだと偽り、みんなをだますことに成功しとるが、このくだりゃぁ、かなり壮絶じゃ。「スティーヴンはエイズの症状に詳しかったけど、実際あんなぁがげにだませたっちゅう事実がこの話のすごいところじゃ。エイズのプロセスを演じるなぁ、ぶち大変じゃったよ。すごく痩せにゃぁならんかったけぇ」。

実際、ジムもかなりダイエットをして、エイズらしゅう見える身体を作ってったゆう。「後半に撮影したんじゃが、その時は死んでしまわんようにと、ちぃとのトマトジュースとサプリメントを摂っとったぐらいじゃ。最も痩せていんにゃぁいけんシーンを撮るいっちゃんケツの2日間は、水をちぃとなめるぐらいで。わしゃぁ完璧に消耗して、まるで老人んようになりょぉったんじゃ。でも今は平気で！」。

愛のためなら、たとえ火の中水の中！っちゅうフィリップの真っすぐな生き様に惚れ込んじゃゆぅジム・キャリー。ゲイのカップルを描いた物語でも、心に響く普遍的なラブストーリーとなっとる本作は、いろんな人々の琴線を振るわせるに違いなぁで。